コラム

第4回 味わう

会食

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函館朝市

函館朝市

唐辛子焼き

唐辛子焼き

旨味

旨味

人間のいわゆる五感のなかでも味覚はとらえどころのない感じがします。甘味、塩味、酸味、苦味の4味に、1990年頃から旨味(umamiという国際的学術用語)が加わりました。冬寒い時にありがたい辛味は味の仲間ではなく、温度や痛みと同じ感覚受容体で捉えられることも明らかになりました(2021年ノーベル医学生理学賞)。まさに、香辛料的ホットは温度のホットでもあるわけです。

5味のそれぞれに反応し膜電位変化を引き起こす脂質/高分子膜が開発され(九州大学都甲教授、インテリジェントセンサーテクノロジー)「味を測る」物指ができました。さまざまな飲料、食品が分析されその詳細な記述が、楽譜のように“味譜”として表現できるようにもなってきたのは画期的でしょう。

ところで「味わう」という行為は複合的な感覚を基盤にしています。風邪をひいて鼻がつまっていると何を食べても味気ないですし、咀嚼した時の噛み応えも味わいに大いに影響します。見た目の美味しさということもあるでしょう。となると、味わいの理解のためには、味センサーのほかに少なくとも匂いセンサーとの複合情報が必要だということになります。脳の味覚中枢にも味覚と嗅覚、味覚と視覚など2種以上の感覚に応答する神経細胞が見つかっています。AIの助けもかりて味わいの理解がさらにすすむことが期待できそうです。